ゲーミングPCを購入を考える際に、【 グラフィックボード 】の選択は非常に重要な項目です。
グラフィックボードは、ゲーム、動画編集、3Dモデリングなどの用途において、パフォーマンスに直結する重要なパーツです。
そして同時に、グラフィックボードは非常に単価の高いパーツなので、選び方を間違えると買い直しが必要になってしまったり、非常に後悔することになりかねません。
この記事では、グラフィックボードを選ぶ際に考慮すべきポイントを解説し、みなさんがゲーミングPCを購入する際にグラフィックボード選びの参考になるような情報を提供します。
失敗しないグラフィックボードの選び方を解説します!
PCゲームを快適にプレイするためにグラフィックボードは必須
そもそもPCゲームをプレイするのにグラフィックボードは絶対に必要なんでしょうか?
まず最初に、快適にPCゲームをプレイするためにグラフィックボードは必須です。
自作PCの場合、グラフィック機能が内蔵されたCPUを選択すればグラフィックボードを取り付けなくてもモニターへの映像出力は可能です。
しかし、CPUに内蔵されたグラフィック機能では近年のPCゲームを快適にプレイすることはできません。
左がIntel CPUに内蔵された【 UHD グラフィック 770 】のベンチマーク結果です。
人間の目で見てフレームレートが60fpsを切ると、いわゆる【 カクつき 】を感じるはずです。
もしみなさんがこの結果を見て、これらのPCゲームタイトルをプレイしたいのなら、CPUの内蔵グラフィックで満足できますか?
PCゲームが動作してもこの動きではプレイしていても楽しくないですよね。
CPUによっては非常に高い内蔵グラフィック機能をもったモデルもありますが、それでも重量級のゲームタイトルには歯が立ちません。
したがって、ゲーミングPCを導入するならグラフィックボードの取り付けは必須と考えて間違いないでしょう。
用途に合わせたグラフィックボード選び
それではどうやってグラフィックボードを選べばよいのか?
ゲーミングPCにおいてのグラフィックボード選びの基準について解説します。
ゲームタイトルの推奨スペックで選ぶ
まず最初に一番スタンダードな選び方は、自分のプレイしたい(する予定の)ゲームタイトルに合わせて選ぶ方法です。
PCゲームにはそれぞれ【 推奨環境 】というものが存在します。
PS5やNintendo Switchと違い、PCゲームの場合はプレイ環境はユーザーごと様々なので、推奨環境という基準を設けて快適にプレイするための指標にしています。
例えば『鉄拳8』のPC版(Steam)をプレイするための推奨動作環境がこちらです。
【 最低 】とは、最低限の動作保証がある環境なので、快適なプレイ環境を求めるなら【 推奨 】以上を検討しましょう。
システム要件の中には、グラフィックボード以外の推奨環境もあるのでゲーミングPC全体の性能を決めるための指標になるでしょう。
このように、最初からプレイしたいゲームが決まっている場合は、推奨環境以上を目安にしてグラフィックボードを選べば失敗することはありません。
ゲームタイトルによって推奨環境は様々です。重量級のゲームになると非常に高いグラフィック性能を要求される場合もあります。
メジャーなゲームタイトルならば、公式ベンチマークソフトが配信される場合もあります。
ゲーミングPCのアップグレードを考えているなら、自分のPCがどれだけ対応できるのかベンチマークソフトで計測してみることをおすすめします。
ベンチマークの結果次第で、グラフィックボードの買い替えが必要かどうかの指標になるでしょう。
全体的な予算で選ぶ
プレイしたいゲームが決まっていないのなら、ゲーミングPCの全体的な予算で選ぶ方法があります。
グラフィックボードの価格はピンキリです。
3万円位から40万円位まで幅広い価格帯があり、ゲーミングPCの全体的な価格を決める上で重要なパーツと言えます。
予算で選ぶといってもゲーミングPCを10万円以内で….というのは現実的ではありません。
予算を削って購入してもプレイしたいゲームが快適に動かなければ意味がありません。
最低限、失敗しないであろうゲーミングPCの価格帯は15~20万円前後です。
15万円前後のゲーミングPCに搭載されているグラフィックボードであれば、たいていのゲームは快適にプレイできるはずです。
2024年7月現在ならば、【 GeForce RTX4060Ti 】がベストバイといって間違いありません。
迷ったときにこのレベルのグラフィックボードを選んでおけば動かないゲームはありません。
ほとんどのゲームが快適にプレイできるでしょう。
【 GeForce RTX4060Ti 】は、いわゆるフルHD環境でもっともバランスが良くコストパフォーマンスに優れたグラフィックボードです。
これ以上の性能を要求するゲームタイトルはごく一部ではありますが存在します。
『Cities: Skylines II』は非常に高いグラフィック性能が必要なシミュレーションゲームです。
このゲームを快適にプレイしたいなら、RTX4070以上が必要になります。
このようなゲームタイトルはごく一部ですが存在します。
もちろん今後もさらに高いグラフィック性能を要求するゲームタイトルは開発されていきます。
実際のところキリがないのですが、10万円以上のグラフィックボードを購入する意義とは、そういった将来性への投資と考えてもいいでしょう。
GeForceとRadeonどっちを選ぶ?
初めてのゲーミングPC、始めてのグラフィックボード選びなら【 GeForce 】シリーズがおすすめです。
理由は、GeForceシリーズは世界的に80%以上という圧倒的なシェアをもつブランドなので流通量も非常に多く、ラインナップも豊富なので自分の用途に合ったグレードが選びやすいからです。
【 Radeon 】シリーズはPS5等の家庭用ゲーム機に導入されている実績はありますが、自作PC用へのパーツとしての流通量としては少なく、選びにくい環境にあります。
グラフィックボードの性能を表すベンチマークソフトによる検証結果を見ると、同性能クラスの場合、Radeonシリーズの方が割安だったりしますが、ベンチマーク結果がゲームの動作に直結するわけではありません。
Radeonシリーズは、ゲームタイトルによっての向き不向きが大きくでる傾向があるので、事前に調べておく必要があります。
CPUがRyzenの場合はRadeonシリーズを選んだ方が良い?
もしCPUがAMD製のRyzenシリーズだからといって、グラフィックボードを同じくAMD製のRadeonシリーズにする必要はありません。
GeForceシリーズは、そういったゲームタイトルによるかたよりが少ないので無難に多くのゲームを安定してプレイすることができます。
実体験でもRadeonには何回か裏切られた経験があります…
したがって、初心者向けゲーミングPCのためのグラフィックボード選びはGeForceシリーズがおすすめです。
グラフィックボードは高い?予算の設定について
グラフィックボードって高くないですか?
グラフィックボードは高いです。ほとんどの場合、自作PCのパーツの中では最も高価です。
特に2024年7月現在では、ミドルクラスから上のハイエンドモデルが値上がり傾向となっています。
値上がりの一番の理由は円安の影響です。この状況が解消されない限り大幅に値下がりすることはないでしょう。
Amazonでは定期的なセールが開催されているので、相場感があるならばそういったタイミングで購入するのがおすすめです。
ちょうど良い価格帯は4~6万円くらい
例えば、【 GeForce RTX4060Ti 】が6万円以下なら「安い」といえます。※2024年7月時点
この価格帯のグラフィックボードが一番売れているちょうど良いモデルです。
こういった相場感を持っていれば購入のタイミングを誤ることはないのですが、そのためには頻繁に価格の動向を見ておく必要があります。
ゲーミングPCを購入するのにあたって予算に余裕があるなら、グラフィックボードはできるだけハイスペックなモデルを選ぶ方が良いのですが、一般的には4~6万円前後が現実的な価格帯です。
グラフィックボードの性能に見合った構成が必要
グラフィックボードの性能を上げるとそれに合わせてその他のパーツの性能も上がります。
特にCPUの性能と、電源ユニットに容量は必ずチェックが必要です。
例えば15万円クラスのグラフィックボードならば全体的な予算は30~35万円以上になるでしょう。
さらにそのクラスのグラフィックボードではフルHD解像度のモニターでは物足りないので、4Kモニターの導入も視野に入ってきます。
グラフィックボードの性能を上げるだけじゃダメなのか…
グラフィックボードに合わせたパーツ選びが必要です
まずは明確な予算を設定してその中で丁度良いレベルのグラフィックボードを選択しましょう。
グラフィックボードの性能を上げると、その性能に見合ったCPUや電源容量などの内蔵パーツ、さらに高性能なゲーミングモニターなども必要になるので、併せて検討しましょう。
【2024年版】予算別おすすめのグラフィックボード
予算15万円以内のゲーミングPCなら:RTX4060
予算20万円以内のゲーミングPCなら:RTX4060Ti
グラフィックボード購入時の注意点3つ
マザーボードとの互換性
グラフィックボードを選ぶ際、まずはマザーボードとの互換性を確認することが重要です。
ほとんどのマザーボードはPCIeスロットを搭載しており、これに対応するGPUであれば大抵問題ありません。
しかし、古いマザーボードの場合、PCIeスロットのバージョンが合わないことがあります。
最新の規格はPCIe4.0ですが、PCIe4.0対応のマザーボードに旧規格のPCIe3.0を取り付けることもできます。
必要な電源容量をチェック
高性能なグラフィックボードは多くの電力を消費するため、電源ユニットの容量を確認する必要があります。
必要な電源容量はグラフィックボードの仕様に記載されていますが、通常は650W以上の電源を推奨します。
さらに、必要な補助電源コネクタ(6ピンや8ピン)に対応しているかも確認してください。
RTX4000シリーズの上位モデル(RTX4070以上)の場合、16ピンという形状の補助電源コネクタを採用しています。
事前に電源ユニットの仕様を確認しておきましょう。
ケース内に収まるサイズか
グラフィックボードはサイズが大きいものも多いため、PCケースのスペースを事前に確認することが重要です。
特に、小型ケースでは長さや厚さが制限されることがあります。
PCケースの公式サイトには取り付け可能な拡張ボード長さが必ず記載されているので、大型なグラフィックボードを選ぶ時には必ずチェックしておきましょう。
「大型な」というのは、例えば300mm以上のグラフィックボードでしょうか。
搭載されているファンが3連のモデルなどは注意が必要です。
自作PCには物理干渉というトラブルが付き物なので、規格上は問題ないパーツを選んでも組み合わせやサイズによる干渉で取り付けができない場合もあります。
そうならない為に、事前のチェックはしっかり行っておきましょう。
以上がグラフィックボードの選び方のポイントです。
自分に合った最適なグラフィックボードを選びましょう
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